コラム
タイで物件探しをする際に押さえておきたいポイント
異国の地で住宅用または投資用のコンドミニアムを購入したいと考えた時に、物件選びに関して難しい点が多いかと思います。今回はタイ(主にバンコク周辺)で物件探しをする際の一助となる情報を簡単にまとめてご紹介します。
①交通インフラの開発と将来的な発展
購入物件を探す前に最初に確認したいのが、その場所の将来的な発展や今後の交通インフラの開発についてです。タイ政府は、バンコク市内から郊外に向けて公共交通機関であるBTS(高架鉄道)やMRT(地下鉄・高架鉄道)を積極的に延伸しています。近年は新しい路線の開通ラッシュとなっており、今年だけでもイエローラインの開業、年末頃にはピンクラインが開業予定です。最近の傾向として、バンコク北部・東部への交通インフラ整備が顕著であることから、コンドミニアムの建設計画も他の地域と比べると比較的多いため、今後注目されることは間違いないでしょう。今後も路線の延長や建設計画中の新路線があり、2029年までに計14路線が整備される予定です。車社会で渋滞が多いバンコクの交通網を改善することが背景として考えられます。
ハイエンド物件は、都心部であるスクンビットに集結する傾向にあり、価格も上昇傾向にありますが、今後の交通インフラの開発状況を鑑みて、都心部より少し離れたアクセスが良好な場所にある物件への投資にも注目が集まっています。また、タイ政府の東部経済回廊(EEC)プロジェクトの一環として、ドンムアン空港、スワンナプーム空港、ウタパオ空港の3空港を結ぶ高速鉄道を建設予定です。こちらの建設が完了すると、バンコクから有名観光地であるパタヤまで1時間余りで移動することが可能になることから、バンコクのみならずサムットプラカン・チョンブリの周辺県の需要が上がることで、コンドミニアムの物件価格も今後上昇することが予想されます。
②タイのコンドミニアム開発のトレンド
タイにおける近年の不動産開発のトレンドとして、複合用途開発と環境に配慮した開発をキーワードとしてよく耳にします。複合用途開発には、オフィスビル、ホテル・サービスアパートメント、コンドミニアム、リテールスペースなどで構成されます。また、物件の開発においては、グリーンビルディング認証を受けた物件が増加傾向にあります。単なるコンドミニアムの提供だけではなく、周辺に住まう人々の生活を考えた、環境にやさしい物件づくりが重要となっています。他の記事で紹介している物件、「The Aspen Tree at The Forestias」や「The Whizdom 101 Projects」も複合プロジェクトであり、単なるコンドミニアムの提供ではなく、人々の生活を豊かにするもの、また必要なものが周辺で手に入るような環境そのものの提供をしています。このような傾向を鑑みて、物件の購入をする際は、周辺へのアクセスはもちろんのこと、どのような施設があり、人々を惹きつける魅力があるのかを考える必要があります。
③お部屋探しのポイント
新型コロナ感染症(Covid-19)のパンデミックの後、タイ国内では戸建ての需要が上がり、またコンドミニアムでは広めのお部屋の需要が上がっています。コンドミニアムでは、一人暮らしであっても35平米以上はあるお部屋が好まれます。この背景には、Covid-19の影響により在宅勤務を可能にした柔軟な働き方が定着したことが大きな要因と考えられます。Covid-19が収束した今でも、在宅勤務とオフィス勤務をかけわせたハイブリット勤務がニューノーマルとなっています。それにより、都市中心だけではなく、中心部から少し離れた地域へ住む人々がCovid-19前と比較して増加傾向にあります。以前と比べ自宅で過ごす時間が増えたことにより、人々が住まいを快適に過ごすために求めることも変化してきています。広いスペースはもちろんのこと、スペースを有効活用した収納や家具の配置等が挙げられます。最近では間取りをうまく利用し、収納に困らないようデザインされているお部屋が人気を集めているようです。また、コンドミニアムにある共同施設には、ジム、プールのほかにライブラリやウォーキングができる庭など、充実した共同スペースを提供している物件は魅力的に感じられます。
実務的な物件の購入手順については、別のコラム「タイ不動産投資に関して」をご参照ください。